パズル万華鏡

面白いパズルの紹介と解説をします。

時計盤問題・考察(2)

 時計盤問題・考察(2)を示します。

 

考察(2)

 n=12の場合、3つ組の和が高々20となる配置は存在しない。

 3つ組の和が高々20となる配置があるとして、矛盾を導く。
12個の3つ組の和をS(12)とする。S(12)の値は、一定で、234。

(イ)20となるものが1組だけとすると、

    S(12)≦20+19×11=229<234 

   より矛盾。

(ロ)20となるものが2組だけとすると、

    S(12)≦20×2+19×10=230<234

   より矛盾。

(ハ)20となるものが3組だけとすると、

    S(12)≦20×3+19×9=231<234

   より矛盾。

(ニ)20となるものが4組だけとすると、

    S(12)≦20×4+19×8=232<234

   より矛盾。

(ホ)20となるものが5組だけとすると、

    S(12)≦20×5+19×7=233<234

   より矛盾。

(ヘ)20となるものが6組だけとすると、20となる組が6組、19となる組が6組となり、交互に現れる。x1+x2+x3=20としても一般性を失わない。

    x1+x2+x3=20
    x2+x3+x4=19
    x3+x4+x5=20
    x4+x5+x6=19
    x5+x6+x7=20
    x6+x7+x8=19
    x7+x8+x9=20
    x8+x9+x10=19
    x9+x10+x11=20
    x10+x11+x12=19
    x11+x12+x1=20
    x12+x1+x2=19

   1番目の式から2番目の式を引くと、x1-x4=1
   10番目の式から11番目の式を引くと、x10-x1=-1
   これから、x4=x10が導ける。
   これはx1からx12まですべて相異なることに矛盾。

(ト)20となるものが7組以上とすると、3つ組12個中、20となる組で連続するものが存在することになる。仮に、

    x1+x2+x3=20, x2+x3+x4=20

   とすると、

    (x1+x2+x3)-(x2+x3+x4)=20-20

   より、x1=x4となるが、
   これは、x1からx12まですべて相異なることに矛盾。

したがって、題意は示された。

 このことから、T(12)≧21 がわかる。

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