パズル万華鏡

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入場料金集金問題の解

 入場料金集金問題の解答例を示します。

 

問題の解

 5000円札をもっている人を○、10000円札をもっている人を◎で表す。

図1で、9から始めると失敗するが、図2で、8から始めると成功する。円形の輪の位置を指定するために、1から10を使う。

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 nに関する数学的帰納法で証明する。

(A)nの値が 1 のときは、まず、5000円札をもつ人から5000円札を受取る。

つぎに10000円札をもつ人から10000円札を受取り、5000円札を渡せばよい。

したがって、命題は正しい。

(B)nの値がkのとき、命題が正しいと仮定する。

つぎに、nの値がk+1のときも命題が正しいことを示す。

 n=k+1のとき、5000円札をもつ人の隣り(ただし、時計回り)に10000円札をもつ人の組を見つける。そういう組は必ずある。

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この2人を除くと 2k 人になるので、仮定から釣り銭に不足することなく集金ができる。

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最初に見つけた2人から集金する場合は、5000円札をもつ人から5000円札を受取り、つぎに10000円札をもつ人から10000円札を受取り5000円札を渡せばよい。

 すなわち、nの値がk+1のときも命題は正しい。

(A),(B)より、命題が証明された。

(注意)数学的帰納法では実施できることを示しているだけで、具体的にどの人
    から集金していくかは示していない。

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