数学的帰納法によって解ける整数問題・考察(2)を示します。
考察(2)
数学的帰納法によって解ける整数問題・考察(1)を示します。
考察(1)
整数m,n(m,n≧0)に関する命題P(m,n)に対して、つぎの(A)と(B)を
示すことができるとき、すべての整数m,n(m,n≧0)に対して命題P(m,n)は、
正しいと結論できる。
(A)m+n=0において命題P(m,n)は正しい。
(B)m+n=k(k≧0)以下の(m,n)に対して、命題P(m,n)が正しいならば、
m+n=k+1を満たす(m,n)に対して、命題P(m,n)が正しい。
数学的帰納法によって解ける整数問題の解答例を示します。
問題の解
aとbの和について数学的帰納法で証明する。
(A)aとbの和が3の場合。
正整数a,bの仮定(a>b>0)より、a=2,b=1となる。そこで、x=1,y=-1とすれば、
2・1 + 1・(-1) = 1
が成り立つ。すなわち、命題は正しい。
(B)aとbの和が、3以上k(k≧3)以下で命題が正しいと仮定する。
つぎに、aとbの和がk+1のときも命題が正しいことを示す。
c = a - b
とし、bとcについて考える。
まず、bとcは互いに素であることがわかる(なぜなら、bとcが互いに素でないとすると、b=b'm,c=c'mとかけ、a=(b'+c')mとなって、aとbが互いに素という仮定に反する)。
また、bとcの和が
b + c = b + (a - b) = a = (k+1) - b ≦ k
となることがわかる。
そこで、bとcについて仮定が適用でき、
bu + cv = 1
を満たす整数解u,vが存在することが導ける。
ところが、c=a-bの関係を代入すると、
bu + (a - b)v = 1
av + b(u - v) = 1
となる。ここで、x=v,y=u-vとすると、
ax + by = 1
となる。すなわち、aとbの和がk+1のときも命題は正しい。
(A),(B)より命題が証明された。
数学的帰納法によって解ける整数問題を紹介します。
問題
正整数a,b(a>b>0)が互いに素ならば、
ax + by = 1
を満たす整数解x,yが存在することを示せ。
いくつかの具体例を示す。
a=11, b=6の場合、11・5 + 6・(-9) = 1 が成り立つ。
a=30, b=7の場合、30・(-3) + 7・13 = 1 が成り立つ。
a=16, b=9の場合、16・4 + 9・(-7) = 1 が成り立つ。
数字4を4個含む数式を作成する問題(10)の解答例を示します。
問題(10)の解
[ 1] (-4+44)/4
[ 2] -44+4!/α
[ 3] 4*4-4!/4
[ 4] (4+4!/Sqr(α))/4
[ 5] (4-Sqr(α)/α)*4
[ 6] (4/4+4!)*.4
[ 7] 4/α+α/α
[ 8] -4*Sqr(α)/(.4-Sqr(α))
[ 9] -4/(.4-.4-.4)
[10] -4/(α-.4-α)
[11] .4*(.4/.4+4!)
[12] .4-(.4-4/.4)
[13] 4*4!/.4/4!
[14] 4*4/.4/4
[15] 4/(.4*4)*4
[16] 4/(.4-α+α)
[17] 4/.4*Sqr(α)/Sqr(α)
[18] 4/.4+α-α
[19] 4/.4/.4*.4
[20] 4/α+(.4/.4)
数字4を4個含む数式を作成する問題(9)の解答例を示します。
問題(9)の解
[ 1] (-4+4!)/4+4
[ 2] -4/4+4/.4
[ 3] (4+.4-.4)/α
[ 4] (4+Sqr(α)-Sqr(α))/α
[ 5] 4/.4-.4/.4
[ 6] (4/.4)/α*.4
[ 7] 4/α+α-α
[ 8] -.4/Sqr(α)+.4*4!
[ 9] -4/(4-4-α)
[10] -4/.4/Sqr(α)+4!
[11] .4*4!/(.4+Sqr(α))
[12] 4*4/α/4
[13] 4+(Sqr(α)/Sqr(α)+4)
[14] 4+4+4/4
[15] 4-(4-4!)/4
[16] 4/(4/4)/α
[17] 4/(α/4!)/4!
[18] 4/.4-.4/.4
[19] 4/.4-α/α
[20] 4/α+α-α