パズル万華鏡

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背理法の理解・整数問題(6)の解

 背理法の理解・整数問題(6)の解答例を示します。

 

問題(6)の解

 背理法で示す。

 「ある正整数aが複数通りに素因数分解される」と仮定して矛盾を導く。

このように仮定すると、

  a = p(1)p(2)・・・p(n) (p(1)≧p(2)≧・・・≧p(n), p(1),・・・,p(n)は素数
   = q(1)q(2)・・・q(m) (q(1)≧q(2)≧・・・≧q(m), q(1),・・・,q(m)は素数

と書ける。

ここで、上式中、1番目からk-1番目までの素数が等しく、k番目で初めて違う

素数が現れたとする。

すなわち、

  p(1)=q(1),・・・,p(k-1)=q(k-1), p(k)>q(k) または p(k)<q(k)

が成り立つ。

p(k)>q(k)と仮定すると、

    p(k)p(k+1)・・・p(n) = q(k)q(k+1)q(k+2)・・・q(m)

となるが、

p(k)とq(k)は、互いに素であることから、
p(k)はq(k+1)q(k+2)・・・q(m)の約数でなければならない。

同じように考えると、

p(k)とq(k+1)は、互いに素であるから、
p(k)はq(k+2)・・・q(m)の約数でなければならない。

p(k)とq(k+2)は、互いに素であるから、
p(k)はq(k+3)・・・q(m)の約数でなければならない。

・・・

p(k)とq(m-2)は、互いに素であるから、
p(k)はq(m-1)q(m)の約数でなければならない。

p(k)とq(m-1)は、互いに素であるから、
p(k)はq(m)の約数でなければならない。

結局、

  p(k)≦q(m)≦q(k)

となり、p(k)>q(k)と矛盾する。

p(k)<q(k)と仮定しても同様の矛盾に到達する。

したがって、素因数分解の表し方は1通りであることが示された。

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