パズル万華鏡

面白いパズルの紹介と解説をします。

フィボナッチ数が現れる問題(11)の解

フィボナッチ数が現れる問題(11)の解答例を示します。

(11)の解

 AとCが隣接する辺の傾斜を求めると、2/5、3/8となっており、BとDが隣接する辺の傾斜を求めると、2/5、3/8となっており、わずかな隙間が存在する。
拡大すると次のようになる。

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すなわち、図2の面積は、隙間の面積1を含むものになっている。

(性質)フィボナッチ数を、f(0)=1,f(1)=1,f(2)=2,f(3)=3,f(4)=5,f(5)=8,…とする。
このとき、f(n)2 = f(n+1)f(n-1)+(-1)n (n≧1)が成り立つ。

(証明)数学的帰納法で示す。

(A)n=1のとき、左辺=1,右辺=2-1=1。したがって、左辺=右辺。

(B)n=kのとき成り立つとして、n=k+1のときも成り立つことを示す。

   f(k+1)2 = f(k+1)(f(k) + f(k-1))
      = f(k+1)f(k) + f(k+1)f(k-1)
      = f(k+1)f(k) + f(k)2 - (-1)k
      = f(k)(f(k+1) + f(k)) - (-1)k
      = f(k)f(k+2) + (-1)k+1

(A),(B)より、証明された。

 

 フィボナッチ数の性質を使うと、つぎののように一般化できる。
面積が{f(n)+f(n-1)}2=f(n+1)2からf(n){f(n+1)+f(n)}=f(n+1)2-(-1)n+1に変化し、その差が1となる。

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左図の面積:{f(n)+f(n+1)}2=f(n+1)2

右図の面積:f(n){f(n+1)+f(n)}=f(n)f(n+2)
             =f(n+1)2-(-1)n+1

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